MSX: ROM版のゲーム2
MSXというパソコンが他のパソコンと違ったのは,ファミコンなどと同様にROMカセットがさせるようになっていたことだと思います.この特徴によって他のPCよりも簡単にゲームなどが楽しめました.というわけでROMで発売されていた懐かしいゲーム達を紹介(第2弾).ちなみに,下記は10年前くらいに書いた文章です.
覇邪の封印
工画堂スタジオのRPG.妙にオーソドックスな画面とキャラクタで,マップの表示もなんかBASIC的.これをプレイした後,「これなら俺でも作れるんじゃないか」と,僕をゲーム作りに走らせてくれたありがたい作品(笑).ちなみにこのゲームは大昔に友達に借りてやったんですが,友達はすぐに投げ出してしまっていてクリアしておらず,僕がクリアしたので,終了認定証も僕がもらいました.たしかこのゲームは布製のマップとフィギュアがついていて,最近はやりのオマケ付きゲームの走りだったかもしれません.
ホールインワン プロフェッショナル
HAL研究所のゴルフゲーム.ゲームをやる分には特に変わった部分はなく,遊びやすいゴルフゲームである.が,他のゴルフゲームに無い大きな特徴として,コースを自由にエディットできることが挙げられる.これにより,いろんなコースを自分で作って遊ぶことができる(18ホール作るのは非常に大変だが)
ハイパーオリンピック,ハイパースポーツ
おなじみの連打体力系のスポーツゲーム.プレステなんかでもリメイクされてますし,サターンではデカスリートなど,システム的にはまったく同じ物が多数でています.僕はハイパーショット(専用コントローラ)を持っていなかったので,カーソルキーの右を連打するしかなかったんですが,僕の初代MSXのキーボードが調子悪くなったのはこのゲームのせいだと断言できます.ちなみに確かそれぞれ(オリンピック,スポーツ)3作ずつ発売されていて,オリンピックのほうはいかにもな競技(100mダッシュとかハードルとか)が多くて,スポーツのほうはクレー射撃や飛び込み,自転車など変わった種目で遊べました.
ハイドライド2
テープ版でハイドライドが出て,しばらくたつと,他機種でハイドライド2が発売されました.MSXではテープで出せるほどの容量ではないし(オンメモリにおさまるようなサイズではない),ディスクは普及してないし,ROMカートリッジも容量不足ということで,MSX版は出ないのではないかという説が一般的でした.ハイドライドは非常に好きなゲームなので,やりたくてしょうがなかったんですが,まぁあきらめていました.しかし,メガROMという大容量カートリッジが出てきて,ついに移植されることになりました.というわけで,僕が買ったメガROM第一作目のソフトです.ハイドライド2では,街があったり,魔法があったり,非常にマップが広くなっていたり,さまざまな謎があったりと非常に多くの改良がされており,長い間楽しんでプレイできました.しかもバッテリーバックアップだったので,長いパスワードを使ったりする必要もありませんでした.人と会話できたり,善悪の区別があったり,このゲームではじめて出会った概念が非常に多く,強い印象を残したゲームでした.
このゲームで攻撃力をあげるためには,修行と称して僧侶と殴り合いを行ない,連続して勝利することでどんどん攻撃力が上がりますが,これには必ず勝利することができます.敵は常にステップを踏んでいるのですが,相手の後ろ足が地面についた時に攻撃すればかならずヒットします.ただ,普通にやっていたのではステップを見切ることはできません.そこで,カーソルキーの左(だったかな?違うキーだったかもしれない)を押しっぱなしにしていると,相手の動きがスローモーションになるので確実にこちらの攻撃がヒットするようになります.通常は攻撃力の上限は目盛りいっぱいまでですが,この技を利用して連続勝利することで,いくらでもあげることができます.
ハイドライド3
T&E SOFTの大黒柱,ハイドライドの(現在では)最終作(でもサターンでバーチャルハイドライドが出てたなぁ).さらに凝ったシステムで,漢字表示はするわ,重さのシステムを導入するは,塔は200階もあるわ,大変でした.僕はハイドライドシリーズファンということもあり,非常に楽しんでやりましたが,冷静に見てみると変なところだらけですね.重量システムが導入されるのはいいんですが,お金にまで重さがあるので大変です.小銭がたまって重くなった時は両替して軽くするのですが,なんと自分で両替機を持ち歩いています.んじゃあ両替しても両替機を自分で持っている以上重さはかわらないじゃん!とツッコミをいれたくなります.200階建ての塔!とかいいながら190階分以上は同じマップだし,エレベーターで一気に進めるし..宇宙空間もだだっぴろいマップだけどただの宇宙空間だから意味ないし...
ま,でも意欲的にいろんなシステムにチャレンジしてていいんじゃないでしょうか,といった印象です.そういえば塔の133階(だったかな)のエレベータの中に最強の剣が眠っていたはずですが,こんなのもともと知ってる人しか見つけられないですよね.
イシターの復活
ドルアーガの塔の続編,すばらしいグラフィックのアクションゲームに変化している.前作ではただ待っているだけだったカイが主人公.一方,前作であれだけ活躍したギルは今回はただ敵に体当たりするだけの存在になってしまっている.バリアをつけてもらったり,呪文で呼び出されたり,今回のギルは単なるオマケっぽい.近年の女性の躍進を予見していたのだろうか.
JET SET WILLY
うーん,マイナー.でもこれけっこうはまったんです.ゲームはBE CARDというシステムを用いています.これは,ゲームがカードで提供され,カートリッジアダプタみたいなのを介してMSXのカートリッジスロットにさすというものです.ゲーム自体の大きさはカード型なので,普及すればコンパクトさが生きたかもしれませんが,実際にはほとんどゲームが発売されず,失敗に終わりました.
ゲーム自体は,異常にでかい家の中にちらばってしまった宝物をすべて回収するのが目的です.その数なんと100個!.しかも,別に動かせるブロック等がある訳ではないので,すべて,ジャンプアクションによって進んでいきます.これがなかなか難しく,100個集めるのは至難の技です.
王家の谷
MSX初期の名作.またしてもコナミ.当時としては画期的な戦略性を備えたアクションパズル.ちょっとロードランナーに似ているが,つるはしを使って地面を掘り,剣を使って敵を倒す.宝石をすべて集めたら面クリア.ロードランナーと圧倒的に違うのは掘った穴が再生しないこと.このため,敵をかわすのに穴が使えません.その代わりジャンプができ,剣が使える.そして特徴的なのは,何かを持っているとジャンプができないこと.これが戦略性を増している.つるはしを持っている時に敵に挟まれたらやられるしかない.続編のエルギーザの封印はさらに洗練されていてもっとも好きなアクションパズルです.
コナミのピンポン
コナミの古いスポーツゲームの中で,いや,MSXのスポーツゲームの中で実は一番面白いんじゃないかと思うのがこの「コナミのピンポン」です.MSXを持っていた人には,このゲームの隠れファン(別に隠れる必要はないが)が多いです.普通卓球ゲームを作ろうと思ったら,左右キーで左右に移動して,ボタンでラケットを振る,といったのを考えると思います.しかし,このゲームはなんと左右移動はオート,自分はラケットを振ることしかできません.考えることは振るタイミングだけ.このようにシンプルにしたことで,非常にスピード感のある爽快なゲームになりました.移動を考慮していたらこんなスピードのゲームにはとてもならなかったでしょう.現在はなんかゲームが複雑であるほうがえらいような風潮がありますし,このようなゲームはでないかもしれません.しかし,このゲームのように移動さえも省いてしまうことでこんなにいいゲームができることを知って欲しいと思います.手首がゆらゆら動くさまも慣れれば大丈夫?
イーアルカンフー
コナミのゲームばっかりですが,これも初期の名作.1対1で戦うカンフーアクションなんですが,1対1にしたおかげでキャラクタが大きくなっています.当時としてはダイナミックなアクションが実現できています.これが現在の対戦格闘の基盤になっているのでしょう.
イーガー皇帝の逆襲
イーアルカンフーの続編.イーアルカンフーは100面クリアできるほどパターン化されていて簡単だったのだが,こちらは不条理なほど難しい.最後のボスなんかワープするは雷は落とすわ,こんなのクリアできるかいな!という出来.
マクロス
マクロスのゲーム.マクロスを名乗る以上,3形態への変形は必須.しかし,変形してもあまりかわらないんだよね.しかしこのゲームなにがだめかって,だらだらしてる展開の割には異常に長い.んで,耐えられないので3形態の中でいちばんスクロール速度が速い戦闘機型にせざるを得ない.なんか,不満ばかりですが,不満しか覚えてません.
マッピー
面白い.トランポリンで移動するというアイデアをしっかりゲームにしていてすごい.キャラクタが一色なのでなんだかよく分からないのが残念.ファミコン版のほうがだいぶ出来がよかった.
軽井沢誘拐案内
このゲームは,オホーツクに消ゆ,ポートピア連続殺人事件と合わせて堀井雄二AVG3部作と呼ばれた作品です.シナリオ的にはオホーツクに消ゆがいちばん好きですが,これもなかなかいいです.しかし,実験的というかはちゃめちゃというか,話が進むにつれて展開が無茶苦茶になっていきます.突然1章まるごと使ってHシーンを書いたり(今見ると非常にしょぼいが),突然最後の章でRPG風になったりします.最近やり直したんですが,やはり面白いです.堀井雄二といえばドラクエだけ,という人には是非やって欲しいです.
このゲームは昔のゲームだけあって非常に理不尽なところがあるので,ちょっと攻略も書いておきたいと思います.
4章とかで進まない人は,「しめあげる」コマンドをうまく使っていないからです.このゲーム,通常はコマンド総当たりでいけてしまうんですが,この章では,矛盾する発言がされた直後に締め上げるコマンドを使わないといけません.対象となる人はよーことマスターです.また,いくら総当たりでいいと言っても,あまり無茶なコマンドを実行してしまうと後悔します.
5章では,家の探索をしますが,カーソル移動でアイテムを見つけないといけないので大変!そこで,調べる場所を公開しましょう.また,ドアを調べないと,行き先表示にその部屋が出ませんので注意しましょう.まず,ぐらぐらする窓から入る1階の部屋では,鏡台(?)のてっぺんのところに新聞があります.また,右の台みたいなのの上に写真があります.はしごで入る2階のソファーの部屋には,左側のソファーの真ん中の付け根あたりに鍵があり,電灯に対して「取る」操作をすることで懐中電灯が手に入ります.台所では,左上の棚にたばこがあります.暗い部屋では,まずスイッチをたたいて明るくした後,キャビネットに名簿があります.ここでしらべるのは「いしだ」にかんしてです.また,本棚の1番下の列の左から3冊目のあたりをたたくと,先へ進めます.進んだ先では机の上のブツを手に入れ,壁の亀裂をたたくことで地下通路に行けます.
どうくつでは,スタート地点から,北,北,西と行くことで,別の家につき,書類が手に入ります.また,スタート地点から北,東,北,西,南,西,西,と行くことで老人に会うことができます.この迷路,東に行ってからすぐ西に行っても違う場所に出たりする4次元パラレル迷路なのでマッピングには注意しましょう.
このあと推理があります.なぎさをさらったのはライターを落としている人物ですからあきらか.なぎさを助けていたのは煙と共に消えた人ですね.一緒に歩いていたという情報からなぎさをさらった人物とぐるなのはあの娘であるとわかりますし,あとは黒幕がだれか,ということですね.これは,ホテルの株券が大量にあったということから,あの単なる脇役だと思っていた彼,ということになります.敵のアジトは北のほうにある山ですね.
RPGモードになった後はステータスを稼ぎながら進むわけですが,スタート地点に戻れば敵は復活するので,弱い敵を倒して地道にパラメータを稼ぎましょう.回復の泉は2つの泉のうち右下にあるほうです.また,右下の端の池に面している敵はある程度ダメージを与えてから話し掛けると情報をくれます.
魔城伝説
MSXユーザにとってはけなす人などほとんどいないすばらしい縦スクロールのシューティング.で,またしてもコナミ.主人公はその後魔城伝説シリーズすべてで登場するポポロン.つまり人間が主人公のシューティングゲームで,弾を撃ったら変化するタイプのパワーアップ,武器の段階的パワーアップなどが斬新で面白かった.地面上にもさまざまな仕掛けが隠されており,探索の楽しみも多い.なによりもすごいのは,敵の配置のバランスのよさと仕掛けの意外性です.やってみないとわからない部分も多いと思うのですが,やはり完成度の高さが他のメーカーとは違うなあという印象です.
魔城伝説2 ガリウスの迷宮
このゲームはMSX界で非常に高い評価を得たアクションRPGで,このゲームにはほんとに驚きました.さまざまなアイテム,広大なマップ,非常に多彩なマップ上の仕掛けと巨大なボスたち.コナミの力を見せつけられた作品でした.インターネットで検索したところ,非常に詳細な攻略をしているページがあったり,マップを掲載しているサイトがあったりと,いまだに人気の高さを見せつけているゲームです.同じく大ヒットしたメタルギアがリメイクされた(PSで発売された)ことを考えると,このガリウスの迷宮もリメイクされてゲーム機で発売されるかもしれません.そうなったらすごいのにと思います.
当時はMSX-FANなどの雑誌があったため,隠しアイテムなどの所在もわかりますが,今やり直してもわからないかもしれません.そのうちの一つに「短剣」というアイテムがあります.このアイテムを持っている時,「umbrella」とキーボードから(!!)入力すると,画面上のコウモリが全滅するという非常に便利なアイテムでした.
当時,ブラインドタッチはできなかったんですが,この単語だけは非常に高速に入力することができました.このアイテムの取り方が,たしかどこかの画面でコウモリを全滅させた後,動く床に乗って,右,下,左,上の順にキーを押すという普通だったら絶対に気づかない方法だったのを覚えています.
画面はしょぼいですが,非常に完成されていたゲームだと思います.ちなみに移植されたファミコン版はなんか面白くなかった覚えがあるので,やっぱりコナミはMSXが得意なんだなあ,と当時思っていました.
魔城伝説3 シャロム
魔城伝説シリーズの完結編.今度はアドベンチャーゲーム.うーん,内容は覚えてないです.4Mロムで長大なストーリーだったことだけは覚えています.ボスが何人かいて,それぞれと戦う時にはそれがミニゲームになります.ブロック崩しだったりして結構面白いのですが,最後の一つ前のボスがあの難解パズル「箱入り娘」を解かないと倒せないようになっており,非常に苦労した覚えがあります.また,一回セーブして電源を切らないと橋がかからないという謎もあったりして難しいゲームでした.
このゲームは主人公とヒロインの名前を入力します.普通は,自分の名前と,彼女の名前や,まあはずかしかったら当たり障りの無い名前を入れたりするのですが,このゲームは「好きな人の名前を入れてください」とズバッと聞いてくるのでドキッとしました.
メタルギア
コナミが誇る潜入ゲーム.プレイステーション版(メタルギアソリッド)がでたことで超有名になりましたが,基本アイデアはすべてこのMSX版で完成されています.今までのように敵を倒してなんぼというアクションゲームではなく,敵に見つからないように行動するというドキドキ感は他のゲームでは味わえないものです.このドキドキ感を支えているものは探す者(=敵兵士)のリアリティだと思います.メタルギアでは自分の持ち場を監視する兵士や,監視カメラ,居眠りする兵士などさまざまなキャラクタを配置することによってリアリティを高めています.不満点として,敵の視界が線であり,少し斜めにいれば見つからないのがちょっと変だなと思っていましたが,それは続編で解決されました.
自分が持つ兵器もさまざまなものが存在しますが,基本的には音を出せば兵士に気づかれてしまうため,乱用することができません.このへんも他のゲームと感覚が違うところでしょう.
このように,このゲームでは世界観が完成されており,どの部分をとっても破綻している部分がありません.敵のボス達も非常にイカしています.どのボスも,歴戦をくぐりぬけてきたツワモノという雰囲気をもっており,自分の名前を誇示してから戦闘に入ります.
とにかくすばらしいゲームなのですが,難点はテープにしかセーブできないところです.おかげでMSX TURBO Rになってからはできなくなってしまいました.
メタルギア2 ソリッドスネーク
MSX後期に出た非常に完成度の高いゲーム.メタルギア自体がほとんど完成されていたゲームだったため,シナリオを変えたゲームなのかなと思っていたら,予想を遥かに越えたすばらしいゲームでした.メタルギアのところでも書きましたが,前作で敵の視界が直線だったのを,左右45度に広げ,リアリティを増加させています.また,ほふく前進によって戦車の下に隠れたり,金属の床を歩いたらきづかれたりとさまざまな改良が加えられています.シナリオ的にも尾行しなければいけなかったり,形状記憶合金をもちいた謎があったりと,とにかく万人に絶賛されたゲームです.世界観は完成されているし,人間ドラマもしっかり組み込まれていてコナミの底力を感じた作品でした.
プレステのメタルギアソリッドをやったことでMSXとこのゲームの存在を知った人もいると思いますが,是非なんとかしてやってみて欲しいと思います.また違った面白さがあります.
忍者くん 魔城の冒険
ファミコンなどでも(忍者じゃじゃ丸くんともども)結構流行ったアクションゲーム.うまく体当たりして相手を気絶させつつ手裏剣で倒す,というゲームシステムを確立したソフト.続編でもこの操作方法と敵の倒し方はほとんど変わっていない.戦略性と爽快感が同居したいいゲームシステムだと思う.MSX版はキャラクタが単色でよく分からないので,ファミコン版のほうが出来が良かった.